B2Bの購買行動を考える

質問

ダイレクトメールではお世話になります。
○○経営の○○です。
製造部品関連の機械を販売している会社様の件で相談をお願いします。
この会社は30年以上の歴史があり今の社長は2代目さんです。
先代社長がなくなられてから8年がたちます。
会社の販売方法はルート営業が基本で
新規獲得はほとんど行っていません。
今までは先代社長のコネや紹介で仕事をしてきました。
今までは既存顧客のルート営業だけで
問題なく会社は回っていたのですが、
最近は既存顧客の廃業やM&Aが相次いでいます、
また別分野からのライバル会社も増え、
今までの横ばい状態から下降局面に陥っています。
そのため営業を使って新規開拓を行っているのですが、
全くお客さんから受注を要られていません。
ライバルについて私が調べたところ
インターネットを使った受注が増えているようです。
またライバル会社ではニュースレターを
発送している会社もありました。
今回の問題点として、新規の受注方法やお客さんの購買行動を
見直す必要があると感じています。
そのため今までの営業方法にメスを入れることになりました。
そこでインターネットとニュースレターを含めた
購買行動についてアドバイスをいただけると助かります。

回答

○○さんはコンサルタント歴17年のベテランです。
今までにいくつもの会社の売り上げアップや
社内改善を行ってきました。
今回の相談は今までの手法が
上手くいかなくなってきたところにあります。
B2Cの購買方法や購買動向もインターネットの登場により
大きく変わりました。
B2Bの営業方法や購買行動もB2C に続いて変化してきました。
まず変化してきた購買行動について考えてみましょう。

昔のお客さんと今のお客さんの決定的な違いを考えてみましょう。
○○さんが20年以上前に行った営業方法の特徴は
・お客さんに商品説明をする
・良い商品であること説明
・お客さんの商品知識が少ないので教えてあげる。
・販売行動が単純であった
・比較対象商品が少なかった
・価格競争が今ほど激しくなかった
・お客さんが持つ価格情報が少なかった
・一度取引があると継続率が現在より高かった
・お客さんとの接触は電話かFAX、訪問であった
・営業地域が限られていた
・情報収集方法が少なかった
・インターネットが普及していなかった
・お客さんを何度か訪問すれば比較的簡単に仕事がもらえた
などの特徴があります。

しかし現在は
・お客さんは商品説明よりも結果を求める
・同じ機能の良い商品がたくさんある
・お客さんの商品知識が豊富になった
・購入動機になる媒体の数が増えた
・関連商品が多くなりより便利に機能アップしてきた。
・価格競争が激しくなった
・価格情報がお客さんにも分かり易くなった
・一度取引が行われても、次回取引をするとは限らなくなった
・お客さんのネット利用が増えた
・インターネットの普及により販売地域が全国に広がった
・高額商品もインターネットで買われるようになった
・情報収集方法が豊富になった
・インターネットを活用して購買行動を行うようになった
・業界外の会社が進出してきた。
・訪問を必ずしも歓迎しなくなった。

インターネットの普及により20年前の
購買行動と大きく変わってきました。
そしてインターネットの普及により
お客さんの購買行動手順も変化してきました。
現在のお客様の購買までの行動を見てみましょう。

1調べる
2比較する
3最安値の商品を3つから5つ選ぶ
4見積もりを依頼
5対応の良し悪しを感じる
6新しい判断基準が生まれる
7絞り込み(取引実績、お客様への対応状況)
8再度検討の上、デモンストレーションや面談を行います
9自社都合、購買担当都合による稟議が行われます
10それぞれの妥協点を見出して購入決定します

まず新規購入を行う際には、まず調べることから始めます。
調べる方法もインターネットを使い、
該当する商品がどれだけあるのか全体像を調べ把握します。
調べた商品の概要を考え、個々の商品に絞りさらに情報を調べます。
情報はインターネットだけではなく
製品を使用している人の意見に重きを置く。
さらに調べた情報をもとに商品に対する判断基準を確立していきます。
自分たちにあった判断基準に落とし込み商品をさらに絞りこみます。
さらに絞り込まれた商品に対してさらに詳しい情報を取得し、
実際に使用している実例や評判などを調べます。
販売側の話だけではなく実際に使用している人の意見を重視します。
商品と購入する会社を3社から5社に絞り込み、見積依頼します。
この時点では商品が決まったので価格が安い会社を検討する方向になる。
見積依頼を行った会社とのやり取りの中で、
見積依頼した会社の対応の良し悪しや雰囲気が分かってきます。
見積もりを比較して安い会社を探しますが
最安値の会社にするとは限りません。
購入担当者にとって、最安値の会社が
「今後問題が起こりそうなところなのか」、
「倒産の可能性はないか」、
「実績はどうなっているのか」
「大手との取引はあるのだろうか」
など価格以外の面に注目が始まります。
そのため必ずしも最安値の見積もりを出した会社から
購入したいとは思わなくなります。
そこで新しい判断基準が生まれます。

今までの価格だけではなく
・取引実績
・会社の信用
・購入後のメンテナンス、フォロー
・情報提供
・キャラクターが合うか

この時点で考えておかなければならないことは、
お客様がお客様にとって一番良い商品を選ぶのではなく、
「良さそうに思える商品を選んでいる」
ことを認識しておく必要があります。
当たり前ですが比較のために2つ以上の
高額商品を買うことはありません。
その後、会社事情や担当者事情が入り
稟議を通して購入商品が決定されます。

このような購買行動を見ていくとお客さんが自分で
商品選択をする商品知識をたくさん持っているということです。
もしかすると営業担当者よりも商品知識を持っている場合もあります。
そして昔と違って、既存商品に関しては
性能差が小さくなっているということです。

業種や業態により同じB2Bであっても
購買動機や購買手順が変わることがありますが基本構造は同じです。

今回の例は主に機械製造関連の場合に的を絞ったものですが、
その他にも応用はききますので実例に即して改良してください。

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