優良顧客の定義

質問

お世話になります。
大阪でコンサルを続けている○○です。
久しぶりに質問させてください。
最近の新規クライアントを見ていると利益を出さずに
商売を続けている会社が目立ちます。

将来の展望が持てるのであればOKなのですが
仕事に流されている会社が多くあります。
実は私の新規クライアントにもその傾向が増えています。

創業年数が長く顧客名簿がある程度あるので、
名簿の洗い出しをしっかりと行っていこうと考えています。
その時に問題なのが「優良顧客の選別条件」です。
いろいろな基準があると思うのですが
豊田さんの考えを教えて下さい。

回答

○○さんはコンサルタント歴も長く15年以上になりますね。
クライアントの数も急激に増やさずに、
しっかりと面倒を見ていると聞いています。
確かに会社の業歴が長くなると時代の変化や
会社のステージが変わってきますので同じままでは続けられません。
今回の顧客の選別についての件は、
とても大切ですので具体的に考えていきます。

○○さんが今考えていることは「優良顧客」を選別して
フォローしていくという考えですね。
フォローすることで離脱率を減らすのが目的ですね。
その場合に優良顧客をどのように分けるか
についてはいろいろな考えがあります。
実際には業種業態により、販売方法により違ってきます。

しかし分かっていることは、会社に対して普通のお客さんよりも
儲けさせてくれているお客さんであることと、
会社のために貢献してくれているお客さんです。
ではどのような人が優良顧客の条件に当てはまるのか考えてみます。

●購入金額が高い
●購入回数が多い
●購入履歴が長い
●会社のことが好きな人
●お客さんを紹介してくれる人
●会社に意見を言ってくれる人
●コミュニティーを作ってくれる人

優良顧客の条件は大きく分けて2つに分かれます。
ひとつは実際の売上に対して貢献してくれるお客様
そしてもうひとつは売上とは関係なく
間接的に会社の力になってくれる人です。

通常のよく言われている優良顧客の条件は
「購入金額が高い」
「購入回数が多い」
「購入履歴が長い」
になります。
優良顧客を知るためにはRFM分析を行ったり、
3C分析を行い調べます。

ではまず一つ目の優良顧客の条件としての
「購入金額が高い」「購入回数が多い」「購入履歴が長い」
の3条件について考えてみます。

まず実際にどれぐらいの「金額」や「回数」や「購入履歴」
があればよりかの判断が必要です。
当然業種業態で数字は変えた方がよいのですが基準を考えています。

購入金額は平均購買価格の2倍ないしは
上位20%の購入金額の平均
購入回数は6回以上、あるいは上位20%の平均購入回数
購入履歴は上位20%の平均購入履歴
その他に購入が途絶えている基準も考えてください。
優良顧客が離脱している可能性があります。
購入が途絶えて6か月が一つの目安です。

上位20%の購入者を基準にしていますが、
今後業績が上がればこの値が変わってきます。
その場合にまた上位20%を基準にしてしまうと
今までの「優良顧客」が「優良顧客」でなくなってしまいます。
したがって一度決めた基準はその後も続けて下さい。
一度決めた基準を続けないとデータが
取れなくなりますので注意が必要です。

○○さんもお気付きのように、
これが絶対正しという基準はありません。
ただデータを取る場合には初めに決めることが大切です。
「優良顧客」を決める以外にも
「初回客」「2回客」「金額は少ないが購入履歴が長い」
「購入してから6か月以上購入がない」
などその他のお客さんも選別して下さい。
そして全員のお客さんがどの部類に入るのかを
決めることにより今後の推移が明確になります。

次にあげている
「会社のことが好きな人」
「お客さんを紹介してくれる人」
「会社に意見を言ってくれる人」
「コミュニティーを作ってくれる人」
などの条件に当てはまる人も大変重要です。

最近の傾向として、会社とお客さんとの関係性が
重要になってきています。
日本では買いたいものが少なくなりました。
例えば電化製品は価格帯が同じ商品に関して
ほとんど性能差がなくなっています。

そのため、価格や性能、デザインだけでなく、
どこのメーカーから買う、あるいは誰から買う
という条件が重要になり始めています。

今までのコンサルタントの基準の優良顧客の条件は
「購入金額が高い」「購入回数が多い」「購入履歴が長い」
の3条件に当てはめることだけでした。
しかし今後は、お客さんとのコミュニケーションの取り方や
関係性が売上や継続性に影響してきますので、
新しい考え方も取り入れていかないと成果が望めなくなります。

では実際にどのようにお客様の感情や関係性を
判断していくかについて考えていきます。
会社のことが好きな人の判断は数値で表すことができません。

しかし現場でお客さんとやりとりをしている
電話オペレーターや営業の人に詳しく訪ねると、
なんとなくこの人は会社のことを気に入ってくれている
と判断できたりします。
また会社のことが好きな人の条件を洗い出してみるのも
面白いのではないでしょうか?

次にお客さんを紹介してくれる人ですが、
この条件に当てはまる人は仕組みを作れば
ある程度の情報を得ることができます。
また紹介をしてくれる人の特徴として、紹介者は
一人だけを紹介してくれるのではなく、複数人を
紹介してくれるパターンが少なく無い事も
知っておく必要があります。
自社商品を紹介してくれる人は、実に
大切に接するシステムを作っておく必要があります。

一番初めに紹介しやすいのは家族です。
従って家族にも使って頂ける可能性のある商品に関しては、
家族の人にも使っていただく方法や、お得な情報を知らせ、
意識して取り組むことが必要です。

会社に意見を言ってくれる人も重要です。
一人の人が意見を言ってくれると、
その意見と同じことを強く思っている人が25人、
その意見に関して同意する人が259人いると言われています。

一人の意見は大変重要で、見過ごすことなく前向きに
問題解決することで離脱率を減らし、購買単価を上げ、
購入頻度を上げることになります。

コミュニティーを作ってくれる人は非常に重要です。
会社の姿勢が好きであったり、商品に惚れ込んでいたりする人の中には
コミュニティーを利害関係なしで作ってくれる人がいます。

コミュニティーを作ってくれる人に対しては
会社側としても誠意も持って対応や支援を行うことで、
より良い関係性が気づけますので、真剣な取り組みが必要になります。

コミュニティーを誰かが作っているかどうかを調べるには、
ブログやフェーブックを調べると分かる場合があります。
またお客さんにコミュニティーを作ってくれている人に対して
知らせて頂くシステムを作っておくとよいでしょう。

優良顧客の定義は会社によって様々ですが、
今後は儲けだけでなく、関係性も重要ですので
考え方を変えていく必要が有ります。

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