DMの再現性を考える
質問
お世話になります。
東京の□□コンサルタントの○○です。
すみませんが教えて下さい。
実はテストDMとテレアポを組み合わせてテストをしています。
テスト項目は名簿の種類です。
あるルートで手に入れたおもてに出ていない名簿と
一般的な名簿会社で購入した名簿の比較です。
結論から言うと、表に出ていない名簿の
反応率はよいのですが成約率がよくありません。
反対に名簿業者から購入した名簿の反応率はよくないのですが、
成約率は表に出ていない名簿の成約数を上回ります。
今後の方針としてどちらの名簿を
どのようにテストしていけばよいですか?
また最近の通販会社などの傾向があればお願いします。
回答
○○さんはコンサルタントの中でも、テストをして
数値分析の結果検証をする数少ないコンサルタントです。
分野もDMだけではなくインターネットやFAXDM、
アウトバンドなどは幅広い媒体を使いこなします。
さて今回の分析ですが、またテストしなければ
分からないことも多いので、現状の資料の中から分析していきます。
今回のリスト選択については非常に大切です。
今後の経営方針に大きく影響してきます。
理由はそのリストをどのように評価するかにかかってきます。
一番の判断基準はライフタイムバリューが大きくなり
顧客数が増えることです。
ここで単純に反応率が良いリストを選んでしまうと
大きな損失を被ることがあります。
別の言い方をすると、お客さんのリピート率が高く、
長い間顧客として買い続けてくれるお客さんにすることです。
俗に言う優良顧客に育てていく数をいかに増やすかが大切です。
この時に注意することは「率」ではなく「額」で判断してください。
顧客リストの中にはDMが到着したときに、
たまたま運よくその商品が欲しかった人が買うケースがあります。
通常はこのような目的でDMを出すことが多いのですが、
私はこの方法に疑問を持っています。
新規顧客にダイレクトメールを発送する場合には
そのダイレクトメールの再現性も必要です。
そのためには反応率ではなく成約数で判断し、
その後リピート数を判断しながら導線を作り
コントロールできるダイレクトメール内容で
あることが要求されます。
その時にどういうタイミングで何回接触すると
成約率が増えるかを探っていきます。
このシステムを「各顧客層」「判断基準要因」
に分けて調べていくと成約が伸びます。
今回のリストへのテストは途中段階なので
結果はまだ出ていないと考えるべきです。
今回の結果を元に、さらに絞り込むテストをして
訴求要因と接触回数、接触タイミングをテスト
していってください。
通販会社の変化としては以下のようになります。
現状としてリピート率は全体的に落ちています。
特に通販会社などが狙う定期購入です。
定期購入をしていただくと割引を行うことになります。
定期購入をせずに買うよりもお得になります。
そこでお客様はとりあえず定期購入を申し込みます。
そして一回の購入で定期購入をやめてしまうお客様が増えています。
これは初回から定期購入を進める内容のため起こる現象です。
会社側としては初回から定期購入を決断いただければ
後のリピートが約束されると考え、
値段を下げてでも定期購入を取りたいのが本音です。
しかしお客さん側からすると同じ商品であれば
少しでも安く買うことを考えます。
そのため定期購入でとりあえず買っておき
良くなければ解約しようと考えます。
そのため定期購入での数が増えると同時に
早い段階での解約も増える結果になります。
通信販売に慣れていない時期には、
定期購入を選択すると、続けて買わなければならないもの
と考えるお客様が多かったので、定期購入を
選んだお客様は続けて購入する人が多くいました。
しかし現在では、定期購入をすることに対しての
お客様負担を少なくし、定期購入率を上げるために、
定期購入を選択しても途中でデメリットなしで
解約できる内容になっています。
途中で解約をしてもデメリットがなければ
定期購入で安く購入しダメであれば解約しよう
とする人が増えてもおかしくありません。
もっと言うと、購入は一回だけと考えていても
定期購入を選択しすぐに解約するパターンです。
この方法はますます増えると予想されます。
しかし定期購入制度をやめてしまうことはありません。
定期購入のメリットは十分ありますのでこの制度は必要です。
ただし、今後の定期購入によるライフタイムバリューは
以前の数値と大きく変わってきます。
そのためライフタイムバリューの数値の見直しを早く進めてください。
ライフタイムバリューは大切な数値です。
数値が1%変わっても粗利に大きく影響します。
また広告宣伝費にもかかわってきますので
定期的に見続けることが必要です。
その他に通信販売での離脱率が大きくなっています。
それは通信販売で売っている商品が、一般のドラッグストアや
スーパーなどの一般的なお店で買えるものが増えてきたためです。
たとえば十六穀米などはスーパーでも買うことができます。
商品内容的にそれほど変わらず価格だけが大きく違う場合には
どうしても通信販売から買わずに
スーパーで買ってしまう結果になります。
また健康食品などでもフ○ンケルやD○Cなどの
格安が取扱商品を増やしています。
そのためニッチな分野だと思っていた商品でも
大手が格安で作り始めると一気に商売が衰退していきます。
そのためよほど差別化ができる商品でないと
商品自体の魅力として購買している場合には
お客様をいずれ失っていく結果になると思います。
そのため早いうちに、現状の顧客分析を行う必要があります。
今お買い上げいただいているお客様はどうして現在、
買い続けているのか知る必要があります。
よくある例としては
・担当してくれる担当者が良い
・その会社が好き
・そのコミュニティーが心地良い
・ずっと続けているから
・他を探すのが面倒だから
・現状で満足しているから
などがあります。
今後の方向性を考えて、今いるお客様を
減らさないように対策を講じる必要が出てきます。
通販業界は競合が激しくなる一方、
インターネットなどの媒体が複雑化するなど、
集客自体が以前に比べて難しくなっています。
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